こんにちは、今日は『官吏の悪をチェックするヨコベ・ツウヂの役割』というタイトルで、
上古代のアマカミの治世の内容が書かれた『ホツマツタヱ』を参照しながら纏めてみたいと思います。
ヨコベ・ツウヂとは?
ヨコベとは、現代で言うところの検察官に近く、各クニに10人程度任じられていました。
ツウヂとは、法律を専門とする役職で、後の直(アタイ)姓となります。
具体的には刑法の量刑を主務とするノリ(法律)の専門家ということになります。
ヨコベ・ツウヂは過去の記事でご紹介した、アマテルカミ(天照大神)が玄孫(4世孫)の
ウガヤフキアハセズ様の即位に出されたミコトノリの中に書かれています。

(訳)
錦の綾を織るように、ヨコベとツウヂもののタテ・ヨコを調べさせ、整えさせて、
闇路を照らすようにしなさい。
上古代におけるタテ・ヨコの概念
ホツマツタヱ本文にタテ・ヨコと書かれています。これは何を意味するのでしょうか?
ここでもう一度、タテ・ヨコの概念についておさらいします。
上古代の時代では、マツリゴトの良し悪しを機織りの原理に見立てていました。
織物はタテ糸とヨコ糸がバランスよく重ねることで、綺麗に布を織ることができます。

アマカミ(天皇)が人々に恵みを齎し、人々に教える流れがタテであり、
民衆の生活をヨコに見立てていました。
アマカミの教えと民の生活がバランスよく機能して、国家がうまく収まると考えられていたためです。
しかし、ヨコ糸を強く引っ張ると、布が縮れてしまいます。
このことをヨコシマリ(良くない状態)と言い、(ヨコシマの語源もここから来ていると思われる)
これを正すためにヨコベ・ツウヂという役職が置かれていました。
ヨコベ・ツウヂの原理
では、具体的にヨコベ・ツウヂ原理について書かれた箇所をホツマツタヱ本文から引用します。
なお、素人の翻訳になりますので、必ずしも正確な訳ではない旨ご了承ください。

(訳)
民の夫婦一組を織物の筬に見立て、礼節を持つ長(取りまとめる人)を織り手に見立てると、
40人の村に村長を一人を置き、80の村ごとにアガタヌシを置き、モノノベとした。
80部の国ごとにツウヂを置き、モノノベがタテ(アマカミの教えと恵み)を人々に教える。
そして、クニツコ(地方長官)の下にヨコベを10人配置した。
もし、人々が道にそれる行いをした場合は、サガ臣(警察官)とツウヂ(=アタヒ、刑法を定める人)を経て、
上層部に到達させた。
上古代でも不正は取り締まられていた
第八代アマカミ(天皇)アマテルカミの時代は紀元前700~500年頃と推察されますが、
この時代でもきちんと官吏の不正が取り締まられていたことが分かる一節が
ホツマツタヱに書かれていました。

フトマニを見て、(罪の)裁量を知り、
ツウヂヨコベを遣わせた。もし、民が乱れるようなことがあれば、
その官吏者を交代させて、不正を正した。
もし、官吏者が驕り高ぶり、民が乱れるようなことがあれば、
その官吏者の罪が重くなり、ヨコベがその事態を改めて、
民を生かすように計らった。
美鈴の考察
ここに書かれているのは極めて重要な事であると思います。
上古代において、司法が機能していたということです。
仮に官吏者の不正があれば、民に影響を及ぼし、秩序が乱れます。
しかし、当事者間の解決は威圧や圧力、怠慢、「見て見ぬふり」等が起こりやすく、
問題が見過ごされてしまうケースも多々あったでしょう。
法の専門家のヨコベやツウヂを置くことで、民を置き去りにせず、
問題ある官吏者を交代させて、組織全体の健全性を支える土台になったことでしょう。
これは現代においても極めて有効な問題解決の手段として考察できることは
強調したいと思います。
それでは、今日はここまでにしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
秘められた日本古代史(続)ホツマツタヱ/松本善之助氏著
